タトゥーを検討する際、多くの人が「仕事に影響が出るのでは」と心配します。
実際、業種や職種によっては、タトゥーが採用や評価に影響することがあります。
ただし、すべての職場が一律禁止というわけではなく、業種・企業文化・配置やサイズによって対応が異なります。
この記事では、タトゥーと仕事の関係について、業種別の傾向と現実的な対策を整理して紹介します。
タトゥーと仕事:基本的な現状
明確な法律はないが、企業の判断に委ねられている
日本には「タトゥーがあると就職できない」という法律はありません。
しかし、企業には採用の自由があり、タトゥーを理由に不採用にすることも可能です。
また、就業規則で「タトゥー禁止」と明記している企業もあります。
約7割の企業が「タトゥーに否定的」
民間の調査によると、企業の約7割が「タトゥーのある人材の採用に慎重」という結果が出ています。
特に、見える位置にタトゥーがある場合、採用のハードルが高くなる傾向があります。
業種・職種によって温度差が大きい
ただし、業種によって対応は大きく異なります。
接客業や公務員では厳しく、クリエイティブ系やIT系では比較的寛容という傾向が見られます。
制約が厳しい業種・職種
タトゥーが採用や評価に影響しやすい業種を整理します。
公務員(警察官、消防士、自衛隊、教員など)

公務員は、最もタトゥーに厳しい職種のひとつです。
警察官・消防士・自衛隊:
採用時に身体検査があり、タトゥーがあると不採用になることがほとんどです。
「反社会的勢力との関係を疑われる」という理由から、厳格に制限されています。
教員:
法律で禁止されているわけではありませんが、保護者や学校からの信頼を損なう可能性があるため、採用時に不利になることがあります。
見える位置にタトゥーがある場合、採用されにくい傾向があります。
その他の公務員:
地方自治体の職員なども、就業規則でタトゥーを禁止していることがあります。
医療・福祉関係

医師・看護師・介護職:
患者や利用者に不安を与える可能性があるため、見える位置のタトゥーは避けるよう求められることが多いです。
隠せる位置なら問題ない場合もありますが、施設によって対応が異なります。
歯科医師・歯科衛生士
患者と近い距離で接するため、見える位置のタトゥーは敬遠される傾向があります。
接客業(ホテル、旅館、百貨店、航空会社など)

ホテル・旅館スタッフ:
特に高級ホテルや老舗旅館では、タトゥーを厳しく制限しています。
「おもてなし」の文化の中で、タトゥーは不適切と判断されることが多いです。
百貨店・高級ブランド販売員:
接客の質が重視される業界では、タトゥーが顧客に与える印象を考慮して、制限されることが多いです。
客室乗務員(CA):
航空会社の多くが、制服から見える位置のタトゥーを禁止しています。
国際線では外国人乗客への対応もありますが、日本の航空会社は依然として厳しい傾向です。
金融・保険業界

銀行員・証券会社・保険会社:
信頼性が重視される業界のため、タトゥーに対して保守的です。
見える位置のタトゥーは、採用時に不利になることが多いです。
比較的寛容な業種・職種
タトゥーがあっても、比較的働きやすい業種を整理します。
クリエイティブ系

デザイナー・アーティスト・美容師・ネイリスト:
個性を表現する業界のため、タトゥーに対して寛容です。
むしろ、ファッションの一部として受け入れられることもあります。
美容師やネイリストの中には、レタリングやブラックワークを入れている人も多く、顧客もそれを気にしないことが多いです。
音楽・映像・舞台関係:
表現の自由が尊重される業界のため、タトゥーの有無が問題になることは少ないです。
IT・Web業界

エンジニア・プログラマー・Webデザイナー:
顧客と直接対面する機会が少ない職種では、タトゥーが問題になることは少ないです。
企業文化によって異なりますが、スタートアップやベンチャー企業では、比較的寛容な傾向があります。
ただし、顧客と対面する営業職や、大手企業との取引が多い企業では、見える位置のタトゥーを避けるよう求められることもあります。
アパレル・ファッション業界

販売員・バイヤー・スタイリスト:
ファッション性が重視される業界のため、タトゥーもスタイルの一部として受け入れられることが多いです。
ただし、ハイブランドや百貨店のテナントでは、企業イメージを重視して制限されることもあります。
飲食業(カジュアル系)

カフェ・バー・居酒屋:
カジュアルな飲食店では、タトゥーに対して比較的寛容です。
ただし、高級レストランや老舗の料亭では、厳しく制限されることが多いです。
採用面接でのタトゥー
就職・転職活動において、タトゥーはどう扱われるのでしょうか。
履歴書に書く必要はあるのか
履歴書にタトゥーの有無を書く必要は法律上ありません。
ただし、面接時に聞かれることはあります。
面接で聞かれたらどう答えるか
正直に答えることをおすすめします。
「小さなタトゥーが腕にあります。業務に支障が出ないよう、長袖で隠すことができます」といった形で、誠実に伝えましょう。
隠して入社しても、後から発覚した場合、信頼を損なう可能性があります。
見える位置と隠せる位置の違い
見える位置(手首、首、手の甲など): 採用時に大きなマイナス要因になることが多い。
業種によっては、この時点で不採用になる可能性が高い。
隠せる位置(二の腕、背中、太ももなど):「制服や長袖で隠せる」という前提があれば、採用される可能性もある。
ただし、就業規則で禁止されている場合は、入社後に問題になることもある。
内定後の身体検査
一部の企業(特に公務員や大手企業)では、内定後に健康診断や身体検査があります。
この際にタトゥーが発覚し、内定取り消しになるケースもあります。
事前に確認できる場合は、採用担当者に相談しておくことをおすすめします。
職場でのタトゥー:入社後の扱い
無事に入社できた後、職場でタトゥーはどう扱われるのでしょうか。
就業規則を確認する
多くの企業では、就業規則に「タトゥー禁止」または「タトゥーは隠すこと」と明記されています。
入社前に確認しておくと安心です。
隠す努力が求められる
タトゥーが許容されている職場でも、「業務中は隠すこと」というルールがあることが多いです。
長袖、サポーター、ファンデーションテープなどで対応する必要があります。
昇進・評価への影響
タトゥーがあることで、直接的に評価が下がることは少ないですが、間接的に影響することはあります。
顧客と接する機会が増える管理職への昇進時に、タトゥーが理由で見送られることもあります。
社内の保守的な雰囲気の中で、「タトゥー=不真面目」という偏見を持つ上司がいる場合、評価に影響することもあります。
職場の同僚との関係
職場の同僚がタトゥーに対してどう思うかは、世代や価値観によって異なります。
若い世代が多い職場では、比較的受け入れられやすい傾向があります。
ただし、保守的な価値観を持つ同僚からは、距離を置かれることもあります。
スタイル・サイズによる職場での扱いの違い
タトゥーのスタイルやサイズによって、職場での扱いが変わることがあります。
今回は、レタリング、ジオメトリック、オールドスクールの3つのスタイルで比較します。
レタリング:小さければ隠しやすい

レタリングは、文字や言葉を入れるスタイルです。
手首、腕、鎖骨など、比較的小さな面積に入れることが多いです。
職場での扱い:
小さめのレタリングは、長袖やサポーター、ファンデーションテープで隠しやすいため、比較的対応しやすいです。
ただし、手首や指など、隠しにくい場所に入れた場合は、職場で問題になることがあります。
事務職やIT職など、顧客と対面しない職種では、小さなレタリングなら見逃されることもあります。
注意点:
首や手の甲など、制服や長袖でも隠せない位置に入れると、就職・転職時に大きなハンデになります。
ジオメトリック:配置次第で対応が変わる

ジオメトリックは、幾何学模様や左右対称のパターンを用いたスタイルです。
腕、脚、背中など、様々な場所に入れることができます。
職場での扱い:
腕や脚にある場合、長袖・長ズボンで隠せば、職場で問題になることは少ないです。
ただし、前腕や手首など、袖をまくると見える位置にある場合は、接客業や保守的な職場では問題になることがあります。
デザインがシンプルで、文化的な意味が強くないため、和彫りやトライバルに比べると、職場での受け入れられやすさはやや高いです。
注意点:
広範囲のジオメトリックは、隠すのが大変なため、職場での制約が出やすいです。
オールドスクール:存在感があり目立ちやすい

オールドスクールは、太いラインとハッキリした色使いが特徴のクラシックなスタイルです。
船、ハート、イーグル、薔薇、ピンナップガールなどのモチーフが人気です。
職場での扱い:
色がハッキリしているため、隠していても服から透けて見えることがあります。
存在感があるデザインが多く、隠し切れない場合は、職場で注目されやすいです。
接客業や保守的な職場では、見える位置にオールドスクールがあると、採用や評価に影響することが多いです。
クリエイティブ系やアパレル業界では、ファッションの一部として受け入れられることもあります。
注意点:
カラフルなデザインは、隠しても色が透けることがあるため、職場での対応が難しくなることがあります。
タトゥーを隠して働く方法
職場でタトゥーを隠すための具体的な方法を紹介します。
服装で隠す
長袖・長ズボン:
最もシンプルで確実な方法です。 夏場は暑いですが、通気性の良い素材を選ぶことで対応できます。
インナーを重ね着:
半袖の制服の下に、長袖のインナーを着る方法もあります。
ファンデーションテープ・コンシーラー
ファンデーションテープ:
医療用の傷跡カバー用テープで、タトゥーを隠すことができます。
防水性があり、汗をかいても剥がれにくいです。
コンシーラー:
肌色のコンシーラーを厚めに塗り、パウダーで仕上げる方法もあります。
ただし、汗や水に弱いため、こまめな塗り直しが必要です。
サポーター・アームカバー
手首や腕にタトゥーがある場合、サポーターやアームカバーで隠す方法もあります。
「腱鞘炎の予防」「冷房対策」といった理由を伝えれば、自然に使えることもあります。
レーザー除去(長期的な選択肢)
どうしても仕事に支障が出る場合、レーザー除去を検討する方法もあります。
ただし、時間(数ヶ月〜数年)と費用(数万円〜数十万円)がかかるため、慎重に判断する必要があります。
今後の変化はあるのか
タトゥーと仕事の関係は、今後どう変わっていくのでしょうか。
若い世代の意識の変化
若い世代では、タトゥーをファッションの一部として捉える人が増えています。
この世代が社会の中心になる頃には、職場でのタトゥーに対する見方も変わる可能性があります。
多様性の尊重
近年、企業でも「ダイバーシティ(多様性)」が重視されるようになっています。
外見による差別を避ける動きの中で、タトゥーに対する寛容さも少しずつ広がる可能性があります。
依然として保守的な業界は多い
ただし、公務員、医療、金融、接客業など、信頼性や伝統を重視する業界では、今後も保守的な対応が続く可能性が高いです。
すぐに大きな変化が起きるとは考えにくいのが現状です。
もしこの記事を読んで「タトゥーと仕事の関係が整理できた」と感じたなら、以下のどれかを試してみてください。
自分の希望する業種・職種が、タトゥーに対してどの程度厳しいか調べてみる。
現在働いている会社の就業規則を確認してみる。
タトゥーを入れる場合、隠せる位置・サイズを優先して考える。
TATXのギャラリー(https://tatx.io/gallery)で、レタリング、ジオメトリック、オールドスクールなど、気になるスタイルの事例を見て、職場で隠せるサイズ・配置を考える。
タトゥーと仕事の関係について整理できれば、キャリアプランを含めた判断がしやすくなります。
タトゥーは、業種や職種によって仕事に影響することがあります。
事前に現状を知り、配置やサイズを慎重に選ぶことが大切です。




