タトゥーがあると温泉に入れない?利用制限の現状と対策

タトゥーを検討する際、「温泉や銭湯に入れなくなるのでは」という不安を感じる人は多くいます。

実際、日本では多くの施設が「タトゥー禁止」としていますが、すべての施設が一律禁止というわけではありません

また、施設ごとに対応が異なり、サイズやスタイルによっても扱いが変わることがあります。

この記事では、タトゥーと温泉・銭湯の現状を整理し、利用できる方法を紹介します。

約56%の施設が「入浴お断り」

観光庁が2015年に実施した調査によると、全国の温泉施設のうち約56%が「タトゥーのある人の入浴を断っている」という結果が出ています。

ただし、逆に言えば約44%の施設は何らかの形で受け入れているということになります。

地域や施設タイプで大きく異なる

この数字は、地域や施設の種類によって大きく変わります。

都市部や外国人観光客が多い地域では、制限が緩い傾向にあります。

逆に、地方の公共施設や大手チェーンでは、厳しい傾向が見られます。

「完全禁止」「条件付き可」「制限なし」の3パターン

施設の対応は、大きく以下の3つに分かれます。

完全禁止:サイズや位置に関わらず、タトゥーがあれば入浴不可。

条件付き可:シールで隠せば可、小さければ可、貸切風呂なら可など。

制限なし:タトゥーの有無を問わず利用可能。

なぜ禁止されるのか

温泉・銭湯でタトゥーが禁止される理由を整理します。

歴史的な背景

日本では、江戸時代に刺青が刑罰として使われていた歴史があります。

その後も、暴力団など反社会的勢力のシンボルとして認識されてきたため、「刺青=怖い」というイメージが根強く残っています。

他の利用客への配慮

施設側にとって、最優先はすべての利用客が安心して利用できる環境を提供することです。

特に高齢者や家族連れの中には、タトゥーに対して否定的な印象を持つ人も多く、クレームを避けるために一律禁止にしている施設が多いのが現状です。

ある施設で「タトゥーのある人がいて怖かった」というクレームが入れば、施設としては対応せざるを得ません。

区別の難しさ

近年、ファッションとしてのタトゥーが広がっていますが、施設側にとっては「これはファッション、これは反社会的勢力」という区別が難しいという事情もあります。

そのため、トラブルを避けるために、サイズや種類に関わらず一律で禁止にしている施設が多いです。

受付で「あなたのは大丈夫、あなたのはダメ」という判断をすること自体が、施設にとっては難しいのです。

スタイル・サイズで変わる扱い

タトゥーのスタイルやサイズによって、施設の対応が変わることがあります。

今回は、和彫り、ブラックワーク、ニュースクールの3つのスタイルで比較します。

和彫り:最も制限が厳しい

和彫りは、日本の伝統的な刺青のスタイルで、龍、鯉、般若、桜、波などのモチーフが特徴です。

背中全体、腕全体、胸や太ももなど、広範囲を覆うデザインが一般的です。

施設での扱い
最も厳しく制限される傾向があります。広範囲で目立つため、シールやテープで隠すことがほぼ不可能です。
 

「刺青=反社会的勢力」というイメージが最も強く結びつくスタイルでもあり、公共施設や大手チェーンでは、まず入浴できないと考えたほうが良いでしょう。

現実的な選択肢
貸切風呂(家族風呂)を利用する。
タトゥーOKを明示している施設を探す(数は少ないが存在する)。海外の温泉を利用する。

ブラックワーク:サイズ次第で対応が変わる

ブラックワークは、黒一色で大胆な塗りつぶしや幾何学模様が特徴のスタイルです。

サイズは様々で、小さなワンポイントから広範囲まで対応できます。

施設での扱い:サイズによって対応が大きく異なります。

小さめ(ワンポイント〜ハガキサイズ):シールやテープで隠せば入浴可能な施設もある。

広範囲(腕全体、背中など):和彫りと同様に入浴を断られることが多い。

色がモノトーンで、和彫りに比べると文化的なイメージが薄いため、小さければ「条件付き可」の対象になることもあります。

現実的な選択肢
小さめなら、防水タトゥーシールで隠す。

事前に施設に電話で確認する(「小さいタトゥーがあり、隠せるが可能か」と聞く)。

貸切風呂を検討する。

ニュースクール:カラフルで目立つが、サイズ次第

ニュースクールは、ポップでカラフル、アニメやゲームのキャラクター、誇張された表現が特徴です。

色鮮やかで目を引くため、小さくても目立ちやすい傾向があります。

施設での扱い
カラフルなため、隠していても目立ちやすいという側面があります。

小さめのデザイン:シールで隠せば入浴可能な施設もあるが、色が透けて見えることも。

広範囲:和彫り同様、入浴を断られることが多い。

ファッション性が強いスタイルですが、施設側の判断は「タトゥーはタトゥー」という対応が一般的です。

現実的な選択肢
小さめなら、しっかりしたシールで隠す(色が透けないタイプ)。

若い世代が多い都市部の施設を選ぶ。
貸切風呂を利用する。

入浴できる施設の探し方

タトゥーがあっても利用できる施設は、どうやって探せば良いのでしょうか。

方法1:専用サイト・アプリを使う

「Tattoo Friendly」などのサイトでは、全国のタトゥーOK施設を地域別に検索できます。

口コミ情報も含まれているため、実際の対応を確認できることもあります。

Googleマップで「タトゥーOK 温泉 〇〇(地域名)」と検索するのも有効です。

方法2:施設に直接電話する

最も確実なのは、事前に施設に電話で確認することです。

以下のように聞いてみましょう。

「タトゥーがあるのですが、入浴は可能でしょうか?」

「小さいタトゥーで、シールで隠せば大丈夫でしょうか?」

「貸切風呂は利用できますか?」

施設によっては、サイズや位置を伝えれば、柔軟に対応してくれることもあります。

電話で聞くのが恥ずかしいと感じるかもしれませんが、当日入り口で断られるよりは、事前に確認しておくほうが安心です。

方法3:貸切風呂を予約する

貸切風呂(家族風呂、個室風呂)は、他の利用客と接触しないため、タトゥーがあっても利用できることが多いです。

旅館やホテルに併設されている貸切風呂は、予約制で利用できます。

料金は通常の入浴料より高めですが、確実に入浴できる方法です。

方法4:外国人観光客が多い施設を選ぶ

箱根、日光、京都、別府など、外国人観光客が多い温泉地では、タトゥーに対する制限が緩い施設が増えています。

海外ではタトゥーが一般的なため、施設側も柔軟な対応を取っていることがあります。

タトゥーを隠す具体的な方法

タトゥーを隠すことで、入浴可能な施設の選択肢が広がります。

防水タトゥーシール・テープ

市販されている防水タトゥーシールやテープを使えば、小さめのタトゥーを隠すことができます。

購入場所:ドラッグストア、ドン・キホーテ、Amazon、楽天などのネット通販

メリット:手軽に購入できる。肌色で目立ちにくい。水に強く、温泉でも剥がれにくい。

デメリット:広範囲を隠すのは難しい(和彫りやブラックワークの広範囲には不向き)。

長時間つけていると、肌が蒸れることがある。

使い方のコツ::施設に入る前に貼っておく。端をしっかり押さえて、水が入らないようにする。

入浴後は優しく剥がし、肌を保湿する。

小さめのブラックワークやニュースクールなら、この方法で対応できることが多いです。

サポーター・リストバンド

手首や腕にタトゥーがある場合、サポーターやリストバンドで隠す方法もあります。

ただし、施設によっては「湯船にサポーターをつけたまま入らないでください」というルールがあることもあるため、事前に確認が必要です。

脱衣所まではサポーターで隠し、シールに貼り替えてから入浴するという方法もあります。

ファンデーションテープ

医療用のファンデーションテープ(傷跡カバー用)を使う方法もあります。

タトゥーシールより密着性が高く、剥がれにくいという利点があります。

ただし、価格がやや高めで、広範囲には不向きです。

今後の変化はあるのか

日本の温泉・銭湯とタトゥーの関係は、今後どう変わっていくのでしょうか。

東京オリンピック後の変化

2020年の東京オリンピックを契機に、外国人観光客への配慮として、タトゥーOKの施設が少しずつ増えてきました。

特に都市部や観光地では、「小さなタトゥーならシールで隠せば可」という条件付きで受け入れる施設が増えています。

世代による意識の違い

若い世代では、タトゥーをファッションの一部として捉える人が増えており、将来的には制限が緩和される可能性もあります。

ただし、現時点では、高齢者や保守的な考えを持つ人も多く、施設側も慎重な対応を続けている状況です。

施設側のジレンマ

施設側としては、「時代の変化に対応したい」という思いと、「既存の利用客を守りたい」という思いの間で揺れています。

一律禁止を続ければ、若い世代や外国人観光客を逃すことになります。

しかし、タトゥーOKにすれば、従来の利用客からクレームが来る可能性もあります。

そのため、「条件付き可」という中間的な対応が、今後増えていくかもしれません。

現実的な選択肢を整理する

タトゥーがある場合、温泉・銭湯を利用するための現実的な選択肢は以下の通りです。

小さめのタトゥー(ワンポイント〜ハガキサイズ)
シールやテープで隠して、条件付き可の施設を利用する。事前に施設に確認する。
 

広範囲のタトゥー(和彫り、広範囲のブラックワークなど)
貸切風呂を利用する。タトゥーOKを明示している施設を探す(数は少ないが存在する)。海外の温泉を利用する。
 

旅行先での温泉を楽しみたい場合
事前にタトゥーOK施設をリサーチする。貸切風呂がある宿を選ぶ。部屋に露天風呂がついている宿を選ぶ。
 

日常的に銭湯を利用したい場合
地域の銭湯に事前に確認する(個人経営の小規模銭湯は、融通が利くこともある)。スポーツジムのシャワールームを利用する(温泉ではないが、代替手段として)。
 

もしこの記事を読んで「温泉・銭湯利用の現状が整理できた」と感じたなら、以下のどれかを試してみてください。
 

希望の旅行先で、タトゥーOK施設や貸切風呂がある宿をリサーチしてみる。

防水タトゥーシールを購入して、実際に試してみる(サイズ感や使い勝手を確認)。

自分のタトゥーのサイズやスタイルが、どの程度制限を受けそうか確認する。

TATXのギャラリー(https://tatx.io/gallery)で、和彫り、ブラックワーク、ニュースクールなど、気になるスタイルの事例を見て、サイズや配置を考える際の参考にする。

温泉・銭湯利用について整理できれば、タトゥーを入れる際の判断材料になります。
 

タトゥーがあると温泉・銭湯に制限が出ることは事実です。

ただし、事前に対策を知っておくことで、利用できる選択肢は残されています。